投資を始めた頃、不思議だったことがあります。
「決算いいのに、なんで株価下がるん?」
売上は前年より増えている。利益も増えている。
それなのに、決算発表後の株価は大きく下がる。
最初は意味が分かりませんでした(笑)
でも決算を何度も見て、下がった理由を調べていくうちに、少しずつ分かってきました。
株価が見ているのは、「前年より良かったか」だけではありません。
市場が期待していた数字を超えたか。
ここがかなり大事です。
この記事では、増収増益でも株価が下がる理由と、僕が決算で最初に確認している4つのポイントについて書いてみます。
好決算なのに株価が下がるのはなぜ?
会社の業績が前年より伸びていれば、一般的には良い決算に見えます。
ただ、株価は過去の数字だけではなく、将来への期待も織り込みながら動いています。
たとえば、ある会社の売上が前年の80億円から100億円に増えたとします。
これだけ見れば増収です。
でも、市場が110億円を予想していたなら、100億円では期待に届いていません。
会社は成長している。でも、市場が期待していたほどではなかった。
こういうとき、増収増益でも株価が売られることがあります。
決算発表前に株価が大きく上がり、良い数字がすでに織り込まれていた場合も同じです。
つまり僕は、「好決算だったか?」だけではなく、「市場の期待を超えたか?」を見るようになりました。
増収増益だけでは判断できない
決算を見るとき、前年同期との比較はもちろん大切です。
ただ、それだけでは市場の反応を理解できないことがあります。
そこで出てくるのが、市場コンセンサスです。
市場コンセンサスは、アナリストたちの予想をまとめた市場予想です。
決算結果と市場コンセンサスを比べるとき、よく使われるのが次の3つです。
- Beat(ビート):市場予想を上回った
- In line(インライン):ほぼ市場予想どおり
- Miss(ミス):市場予想を下回った
増収増益でも、市場がもっと高い数字を期待していたらMissになります。
逆に、前年より数字が弱く見えても、市場予想を上回ればBeatになることもあります。
「会社が成長しているか」と「市場の期待を超えたか」は、分けて考える必要があるわけです。
僕が決算で見る4つのポイント
僕は決算が出たら、まず次の4点を市場コンセンサスと比べています。
1.売上実績と市場コンセンサス
最初に見るのは売上です。
売上は、その会社の商品やサービスがどれくらい利用されたかを見る基本的な数字です。
前年より増えているかだけではなく、市場予想を上回ったかも確認します。
僕の中では、ここが1点目です。
2.EPS実績と市場コンセンサス
次に見るのがEPSです。
EPSは1株あたり利益のことで、会社が株主の1株に対してどれくらい利益を生み出したかを見る数字です。
売上が伸びていても、コストが増えて利益が予想を下回れば、株価が売られることがあります。
そのため、売上とEPSはセットで見るようにしています。
なお、決算資料ではGAAPと調整後(Non-GAAP)のEPSが並ぶことがあります。比較するときは、市場予想と同じ基準の数字かを確認します。
3.売上ガイダンスと市場コンセンサス
3点目は、会社が示す今後の売上見通しです。
今回の決算が良くても、次の四半期や通期の売上見通しが弱ければ、市場は将来の成長が鈍ると考えるかもしれません。
僕が決算を見るようになってから特に大事だと感じたのが、このガイダンスです。
今までの成績だけではなく、会社がこれからどうなると考えているのかを見る数字だからです。
4.EPSガイダンスと市場コンセンサス
最後は、今後のEPS見通しです。
売上ガイダンスが悪くなくても、利益の見通しが弱い場合があります。
原材料費や人件費、研究開発費などが増えれば、売上が伸びても利益が圧迫されることがあるからです。
そのため僕は、将来の売上と利益の両方を確認しています。
会社によっては具体的なガイダンスを出さない場合もあります。そのときは、決算説明会での経営陣の発言や事業の見通しを確認します。
4点をどう判定しているのか
僕が見ている4点を並べると、次のようになります。
- 売上実績 vs 市場コンセンサス
- EPS実績 vs 市場コンセンサス
- 売上ガイダンス vs 市場コンセンサス
- EPSガイダンス vs 市場コンセンサス
それぞれがBeat、In line、Missのどれだったかを確認します。
たとえば売上とEPSの実績がBeatでも、売上ガイダンスやEPSガイダンスがMissなら、今後への不安から株価が下がることがあります。
逆に4点すべてが市場予想を上回っていれば、僕の中では「決算をクリアした銘柄」として、その後も監視する候補になります。
ここを見るようになって、増収増益なのに下がる理由が以前より分かりやすくなりました。
4点すべてBeatなら株価は上がる?
では、4点すべてが市場予想を上回っていれば、株価は必ず上がるのか。
残念ながら、そう簡単でもありません(笑)
決算前に株価が上がりすぎていたり、良い決算がすでに織り込まれていたり、市場全体が下落していたりすれば、4点をクリアしても売られることがあります。
ほかにも、利益率の悪化や受注の鈍化、経営陣の慎重な発言など、4点以外の材料が影響することもあります。
だから僕は、4点クリアを「買いサイン」にはしていません。
買ってもいい会社かを考えるための、最初の確認項目。
そのくらいの位置づけです。
決算を見たあとの流れ
4点を確認して良い決算だと思っても、僕はいきなり資金を全部入れるわけではありません。
決算発表後の値動きを見て、株価がどこまで上がったか、どこに支持線や抵抗線があるかを確認します。
そして、決算が良くて持ちたいと思った銘柄が押してきたときに、打診買いや買い増しを考えます。
そのときに僕が目安にしているのが、50日線と200日線です。
詳しい使い方は、「50日線と200日線はどう使う?僕がこの2本を重視している理由」で書いています。
つまり僕の順番は、
決算を見る → 持ちたい銘柄を選ぶ → 株価の動きを見て買う場所を考える
です。
まとめ:増収増益だけでなく、市場の期待と比べる
増収増益は、会社の成長を見るうえで大切な数字です。
ただ、決算後の株価がどう動いたかを考えるには、前年との比較だけでは足りないことがあります。
僕がまず確認しているのは、売上実績、EPS実績、売上ガイダンス、EPSガイダンスの4点です。
そして、それぞれを市場コンセンサスと比べます。
もちろん、4点すべてをクリアすれば必ず株価が上がるわけではありません。
それでも「増収増益なのに、なんで下がるん?」と感じたとき、決算をもう一段深く見るための目安にはなります。
僕もまだ毎回正しく判断できるわけではありません。
ただ、前年との比較だけを見ていた頃より、決算の見え方はかなり変わりました。
次は、この4点をクリアした銘柄を「実際にいつ買うのか」について書いてみます。
※本記事は個人の投資経験をまとめたものであり、特定の銘柄や売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。



コメント